住宅やビルの屋上を有効活用する方法として、「人工芝」が注目を集めています。
屋上に人工芝を敷くことで、さまざまなメリットがあるからです。
今回は、屋上に人工芝を敷く魅力と、人工芝の施工時に注意しておきたいポイントについて解説します。
屋上の活用を考えている方、人工芝の施工を考えている方は、自分で施工する・業者選びをするまえにぜひ一読ください。
屋上に人工芝を施工するメリット

最初に、屋上に人工芝を設置するメリット・デメリットについて、解説します。
まずは、屋上に人工芝を敷くことで得られるメリットをご紹介していきましょう。
メリット01:お洒落でリラックスできる景観になる
人工芝を敷く大きなメリットは、屋上をお洒落でリラックスできる景観にすることができる点です。
コンクリートで殺風景、冷たい印象の屋上も、人工芝で緑にすることで、落ち着いた空間に。
ベンチやテーブル、ハンモックを設置して、自分の好みの空間に仕上げることができます。
晴れた日には、外でランチやディナーを楽しむこともできるでしょう。
メリット02:子どもや犬の遊び場になる
リラックスできるだけでなく、子どもや犬が気軽に遊べる空間になります。
コンクリートだと子どものケガや犬の肉球への負担が心配になるものです。
しかし、クッション性がある人工芝であれば、リスクを小さくできます。
また、裸足で走ることもできるため、屋上でボール遊びやかけっこもできるでしょう。
メリット03:メンテナンスする手間が小さい
天然芝と違い、健康状態の管理や芝刈りをする手間がかからないため、メンテナンスにかかる手間は小さくてすみます。
完全にメンテナンス要らず、というわけではありませんが、正しく設置して、簡単な手入れをすれば10年程度はきれいな状態を維持できるといわれています。
メリット04:日当たりや季節にかかわらず芝空間が作れる
人工芝は育てる必要がないため、日当たりや季節に関係なく1年中緑の芝をキープすることができます。
天然芝であれば、水はけが悪い箇所や日当たりが悪い箇所だけ芝が育たないことがよくあります。
また、夏に暑すぎて色あせてしまったり、冬に枯れた状態になります。
メンテナンスなしに1年中、緑の空間を維持できる点は大きなメリットといえるでしょう。
屋上に人工芝を施工した際のデメリット
屋上に人工芝を施工することには、メリットだけでなく少ないながらデメリットも存在します。
人工芝を屋上に敷設した場合の良い面と悪い面、両方を把握したいという方は、ぜひ検討の参考としてください。
デメリット01:人工的な印象になる
人工芝はあくまでも人工的なものなので、天然芝のような自然な緑空間とはなりません。
1年中枯れないことから、紅葉のなかに青々とした人工芝が目立つという状況も。
季節感を感じられないという点でも人工的な印象を抱いてしまう点は覚えておきたいポイントです。
デメリット02:炎天下では高温になる
天然芝と比較して、人工芝は炎天下に長時間さらされると高温になります。
化学繊維で作られている人工芝は熱を吸収しやすく、熱くなりやすい性質を持っています。
60度に達することもあるといわれるため、夏場は芝の温度を確かめてから遊ぶようにしましょう。
デメリット03:水はけが悪くなりがち
人工芝は水を吸収しないため、水分をためやすい傾向があります。
設置方法によっては、長期間水がたまり、カビが発生することもあります。
いかに水はけをよく施工できるかがポイントといえるでしょう。
人工芝を屋上に施工する際に必要な工事
屋上に人工芝を設置する場合、実は施工そのものはそれほど難しくありません。
庭に敷設する場合と比較すると、手順も必要な工具類もシンプルです。
ここでは簡単に、施工の手順をご紹介します。
屋上への人工芝施工の流れ
- 屋上のごみやほこりをきれいに掃除する
- 人工芝を屋上の形にあわせて仮置きする
- 接着剤または両面テープで固定する
設置後は、ブラシで芝目をブラッシングすることで、きれいに仕上がります。
屋上に人工芝を施工する際の注意点

屋上への人工芝の施工は、手順こそ簡単といえ、正しく施工しないとカビが生えて不衛生になったり、人工芝が浮いてきたりして、きれいな状態が保てません。
下記の点に注意して、長くきれいに保てるよう設置しましょう。
人工芝の加工にはカッターを使う
人工芝は屋上の形にあわせてカットして使います。
このときに、ハサミを使わずカッターを使うのがポイントです。
ハサミを使うと、必要以上に芝部分を切ってしまい、仕上がりの見た目が悪くなる可能性があります。
そのため、裏面からカッターを使ってカットするのがおすすめです。
定規や木材を使うとまっすぐきれいに切れます。
水の流れを妨げないよう注意する
先述の通り、水はけが悪い場所ができてしまうと衛生面も見栄えも良くありません。
そのため、屋上に人工芝を設置するときは、水が流れるように配慮することが重要です。
一般的に屋上には雨水が排水口に流れるよう設計されています。
接着剤や両面テープが水の流れを妨げないよう、貼る向きや間隔に注意して設置しましょう。
安価な商品は避ける
選ぶ人工芝自体にも注意が必要です。
安価な商品を選んでしまうと、水はけが悪い可能性があります。
衛生面にもかかわるため、水が流れ出る穴が空いているものなど水はけに配慮された商品を選ぶようにしましょう。
安価な商品は、そのほかにも静電気がたまりやすい、紫外線による劣化が早い、安っぽく見えるなどのデメリットもあります。
安価な商品だと張替時期が短くなり、かえって費用がかさむ可能性も。
長くきれいに使うためには、一時的な安さにこだわりすぎず、機能性にも注目して商品を選びましょう。
きれいに施工するには業者に依頼するのがおすすめ
自分でも、屋上に人工芝を設置することはできますが、正しく施工できないと、張替時期が早まったり、水はけが悪くなったりします。
そのため、施工に慣れていない人は、業者に依頼するほうが良いでしょう。
業者への依頼はDIYするよりも出費は大きくなりますが、DIYで失敗したり、すぐに張替が必要になったりすることを考えると必要な出費といえるのではないでしょうか。
屋上に人工芝を敷く場合、商品選びから施工まで注意点が多数あるため、できるだけ業者に依頼することをおすすめします。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。