人工芝といえば、土の上だけでなく、さまざまな場所に設置できる点が大きな魅力の一つです。
お庭だけではなく、ベランダやバルコニー、屋上に設置する方も少なくありません。
中でもバルコニーは、コンクリートやタイル、ウッド等様々な材質の床がありますが、どの床であっても人工芝なら全く問題なく設置できます。
とはいえ、やはり注意点や押さえておきたいポイントは存在します。
そこで今回は、バルコニーに人工芝を敷きたいときにチェックしたいポイントをまとめました。
バルコニーに向いた人工芝の選び方や、施工のポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
バルコニーに人工芝を設置するメリット

まずは、バルコニーに人工芝を設置するメリットからみていきましょう。
人工芝の設置にはさまざまなメリットがありますが、バルコニーに敷く場合は下記の3点がとくに大きな利点となるでしょう。
マンションでもお庭を楽しめる
2階以上のマンションの場合、欲しくても作れないのがお庭です。
一般的なバルコニーには土を敷き詰めることができないため、天然芝を敷いてお庭を作ることはできません。
しかし、人工芝であれば、コンクリートや樹脂などでできている床にも設置することができるため、芝生のお庭のような雰囲気を味わうことができます。
昨今は、見た目が天然芝に近いリアルな人工芝も増えてきており、マンションでも芝生のお庭を楽しめるでしょう。
子どもが裸足で遊べる
コンクリートや樹脂の床は硬く、子どもがバルコニーで遊ぶのには向きません。
一方で、人工芝はクッション性があり、裸足で歩くことができます。
また、保温性もあるため、ヒヤッとした冷たさもなく、芝生の上に直接座って遊ぶことができます。
子どもはもちろん、大人が洗濯物を干すときも、そのまま裸足で出られるため便利です。
さらに、ペットがバルコニーで遊ぶときにも活用できるでしょう。
日当たりに影響されない
天然芝は植物なので、太陽光が当たらない場所では育つことができません。
しかし、人工芝は日当たりが悪い場所にも、敷くことができます。
設置する場所を問わない点は、人工芝の大きな魅力です。
ほとんどの床素材で設置が可能なところも、人工芝の人気の理由の一つといえるでしょう。
バルコニーに敷く人工芝の選び方

バルコニーに人工芝を敷くメリットは、理解していただけたと思います。
しかし、バルコニーに敷く人工芝はどのように選べば良いのでしょうか。
市販されているだけでも人工芝の種類や品質の幅は非常に広く、どれを選べば良いか迷ってしまいがちです。
ここからは、バルコニーに設置する場合に向いている人工芝の選び方のポイントをご紹介します。
ロールタイプがおすすめ
人工芝は、その形状によってジョイントタイプやロールタイプといった種類があります。
その中でバルコニーにおすすめしたいのが、ロールタイプの人工芝です。
ロールタイプの人工芝は、カーペットのようにロールで販売されています。
広い面積でもカバーしやすく、人工芝同士の境目が最小限に抑えられるため、見た目もきれいに仕上がります。
また、カットして好きなサイズや形にすることもできるため、柱や排水溝などにぴったり合わせて人工芝を設置することが可能。
複雑な作りのバルコニーであっても、隙間なく敷き詰めることができます。
水はけのいい製品がおすすめ
人工芝の水はけは、バルコニーへの設置に限らず求められる要素です。
しかし、とくにバルコニーの場合は、人工芝の下がコンクリートや樹脂、タイルなど吸水性がほぼない素材になります。
その為、人工芝そのものの水はけがより重要視されます。
人工芝の水はけが悪いと、水が溜まってしまいカビや害虫の発生につながります。
中でもカビが発生すると、悪臭や健康への悪影響も懸念され、場合によっては人工芝の撤去や張り直しが必要です。
水はけの良い商品か否かは、「透水穴」の数や位置、大きさを目安にしましょう。
水はけの良さの実証実験が確認できる製品もおすすめです。
バルコニーに人工芝を敷く際の注意点

つづいては、バルコニーに人工芝を設置するときに、気を付けたいポイントを解説します。
せっかく高品質で水はけのよい商品を選んでも、設置に不備があるとトラブルの原因となってしまいます。
もしDIYに自信がない場合は、一度プロの施工業者に相談してみてもいいかもしれません。
雨風対策が必須
一般的にバルコニーは、ベランダと違い屋根がついていません。
よって、雨風にそのままさらされることになります。
降り込んだ雨がしっかり流れるよう水はけの良さをしっかり確保することはもちろん、台風などで強風が吹き込んでも飛ばされないよう対策が必要です。
とくに、台風のときに強風で飛ばされて、人にケガをさせたり、車や他の家屋に被害を与えたりする可能性もあります。
そのため、しっかりバルコニーに固定しておくことが重要です。
なお、ロールタイプの人工芝なら重量があるため、自然とめくれにくくなります。
夏場は熱くなりやすい
一般的な人工芝の素材は、石油系の合成樹脂です。
石油系素材のものは、熱を吸収しやすい性質を持っています。
そのため、人工芝も太陽光を吸収して熱くなりやすい点に、注意が必要です。
長時間直射日光に当たった場合、人工芝の表面温度は50~60度とかなり高温になります。
屋根がないバルコニーでは、とくに太陽光にさらされやすいため注意してください。
シェードやルーフを設置して、直射日光が当たらないようにするのがおすすめです。
また、熱くなりやすい分冷めやすいので、水をまくことですぐに表面温度を下げることもできます。
水はけを意識した施工が大切
バルコニーに人工芝を設置するときにとくに気を付けたいのが、水はけの問題です。
もともとバルコニーは、振り込んだ水が自然と排出されるようにできています。
しかし、人工芝の設置によって、水が上手く排出できなくなることがあります。
これは、人工芝の施工が適切にできておらず、水がせき止められたり、溜まってしまったりするためです。
先にお伝えしたように、水はけが悪くなるとカビや悪臭の原因となるため、施工時には水はけを意識する必要があります。
水の流れは排水溝の位置やバルコニーの造りによって異なるため、状況に合った施工をしっかりと計画し実行することが重要です。
バルコニーに人工芝を施工する際のポイント

最後は、バルコニーに人工芝を施工時のポイントにも触れておきましょう。
近年はDIYが流行し、自分で設置を検討している人もいるでしょう。
しかし、DIYで設置する場合は、下記のポイントについて十分に配慮が必要です。
もし不安な場合は、設置作業の前にプロの施工業者に相談してみるのもおすすめですよ。
排水の流れを意識しながらテープや接着剤で固定する
土ではない床に人工芝を設置する場合、人工芝を固定する専用の両面テープや接着剤を使用します。
このとき、排水溝に向かって水が流れるようにすることがポイントです。
バルコニーは少し傾斜がついていて水が流れるようになっています。
排水溝の位置や傾斜を確認したうえで、水の流れを遮らないようにテープや接着剤をつけましょう。
なお、賃貸マンションの場合は、管理規約書を確認の上管理会社やオーナーに必ず相談したうえで設置しましょう。
設置前に掃除をしておく
汚れやゴミがあると、両面テープや接着剤の固定力が低下してしまいます。
設置するときは、まず丁寧に掃除をして、汚れやゴミを取り除いてください。
水洗いした場合は、しっかり乾燥させておきましょう。
芝目の方向に気をつける
人工芝のパイル(芝の葉)には、一定の向きがあります。
複数の人工芝を設置する場合、子のパイルの向きがバラバラだと、見た目が悪くなります。
バルコニーの形や大きさに合わせて人工芝を複数枚敷く場合は、芝目が揃うように敷くことがポイントです。
人工芝を設置してバルコニーで快適なリラックス空間を!
人工芝は設置する場所を選ばない為、バルコニーへの設置もおすすめです。
マンションの高層階でも、気軽に緑を楽しむことができます。
バルコニーに人工芝をしっかりと固定したいなら、商品はロールタイプがおすすめ。
透水性の高い商品を選ぶことはもちろん、耐久性や快適性も重視するなら、製品の密度もチェックしておきましょう。
ただし、屋内での施工には注意するポイントも多く、設置の際は十分な配慮がないとトラブルに繋がりかねません。
DIYでの設置が不安な場合は、プロの施工業者に一度相談してみることをおすすめします。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。