「人工芝の上でバーベキューをしても大丈夫?」という疑問を持った、これから人工芝を設置する人や、人工芝を設置したばかりの人は多いのでないでしょうか。
緑のお庭で家族や友人とバーベキューを楽しみたいというニーズは多いものの、人工芝の上でのバーベキューにはリスクもあります。
そこで今回は、「人工芝の上でバーベキューはできるのか」「どのようなリスクがあるのか」について解説します。
人工芝の上でバーベキューを楽しむためのポイントについても併せてみていきましょう。
人工芝の上でバーベキューはできる?

まずは、「人工芝の上でバーベキューができるのか」という疑問にお答えします。
人工芝は火に弱い
ほとんどの人工芝は、「火気厳禁」です。
これは、人工芝の素材が合成樹脂やゴムで、火に弱い性質を持っているため。調理する際に、プラスチック製やゴム製のものを直接火にかけられないのと同様に、人工芝も火には弱いのです。
人工芝に直接火が当たると、パイル(人工芝の葉)が溶ける、または溶けた葉が黒く固まってしまいます。
安全上、難燃性にはなっているため火が当たったからといって、一気に燃え広がることはないでしょう。しかし、燃えやすさは製品によって異なるため、注意が必要です。
基本的には「人工芝の上でバーベキューはできない」と考えましょう。
防炎加工された製品でも要注意
人工芝のなかには、安全のために防炎加工された製品が存在します。
なかには、公益財団法人日本防炎協会(JRA)が燃えにくさを認定している製品もあります。
そのため、「”防炎”されている商品であれば大丈夫」と考える人もいるかもしれません。
しかし、防炎加工は、燃えにくい・燃え広がりにくいという加工です。
燃えないというわけではないため、防炎加工だからと安心して使えるわけではない点を把握しておきましょう。
油汚れがきれいに取れない場合も
燃える可能性がある以外にも、バーベキューによる油跳ねや食べこぼしも、人工芝に悪影響を与えます。
油汚れは取り除きにくく、ついてしまったらできるだけ早く洗剤で落とさなければパイルに残ってしまいます。
油汚れがそのままついた状態で放置されると、劣化を早めたり、悪臭の原因になってしまいます。
さらに、すぐに掃除をしないと固まってしまい、見た目も悪く、取り除きにくくなるため要注意です。
どうしても人工芝の上や近くでバーベキューをするなら

それでも、「天然芝は手入れが大変だから人工芝を敷きたい」「お庭でバーベキューをしたい」という人もいるでしょう。
どうしても人工芝の近くでバーベキューをしたいという場合は、下記の対策を取って、安全に十分配慮すれば、実施すること自体は可能です。
グリルやコンロと人工芝の距離を十分に離す
まずは、人工芝に火や火の粉が直接当たらないよう、人工芝から離して使うことが原則です。
人工芝は高熱にも弱く、近すぎると火が直接当たらなくても溶けたり変形したりする恐れがあります。
できるだけ人工芝から離れた場所、高さで焼くようにしましょう。
平らな地面の上で行う
凸凹した場所だと、ふとした拍子に当たってグリル・コンロが倒れやすくなります。
そのため、できるだけ平らな地面の上にグリル・コンロを置いてください。
とくに、クッション性が高い人工芝の場合はぐらつきやすいため、人工芝の上に直接グリルなどを置くのはおすすめできません。
炭や油が飛ばないよう対策を
炭を使うバーベキューの場合、風によって火の粉が舞い上がることがあります。
とくに安価な炭は弾けることがあるため、良質な炭を選んで火の粉を舞い上がらせないよう配慮しましょう。
さらに、油跳ね対策として、網を使用するグリルやコンロがおすすめです。
バーベキューでは、焼きそばなどを同時に作れるよう、鉄板を使うことがありますが、鉄板を使用すると油跳ねしやすくなります。
人工芝でバーベキューを楽しむ為のコツ

あまりにも火や熱、油による人工芝への影響を気にしていると、バーベキューを楽しめなくなってしまいます。
そこで最後は、人工芝の近くで、バーベキューをしたいときに安全に楽しむためのコツを紹介します。
炭を使わないガスや電気コンロが安全
先述のとおり、炭を使うと火の粉が飛び散る可能性があります。
良質な炭を使っても、風などで火の粉が飛ばされる可能性は十分にあります。
そのため、そもそも炭を使わない、ガスや電気を使用するのがおすすめです。
足の長いグリルやコンロ、テーブルを使おう
ただし、ガスコンロや電気コンロでも、十分に高熱を発します。
人工芝からはできるだけ距離を離して使用してください。
足の長いグリルやテーブルの上にコンロを置いて使うと良いでしょう。
使用するテーブルには、人工芝の上に置いてもぐらつかない、しっかりと安定するものを選んでください。
防火・耐熱シートを敷くのもおすすめ
「火の粉が飛び散る可能性がある」「グリルやコンロが倒れたら…」と万が一に備えて、防火・耐熱シートを使用するのもおすすめです。
防火・耐熱シートの商品情報には「○度まで」と耐えられる温度が記載されているため、商品選びの際は参考にしてください。
防火・耐熱シートを使うと、油汚れの対策になる点も嬉しいポイントです。
施工時にバーベキュー用スペースを作るのも◯
これから、人工芝を設置するという人は、お庭をすべて人工芝にするのではなく、火気に強い素材のスペースを作っておくのがおすすめです。
コンクリート張りでも問題ありませんが、景観が冷たい印象になりやすいため、レンガやタイルを使ってお洒落に仕上げると良いでしょう。
人工芝の上でバーベキューするなら要対策!
人工芝は熱に弱くバーベキューには、あまりおすすめできません。
しかし、しっかりと対策をすれば、人工芝の緑を楽しみながらのバーベキューも可能です。
防炎加工と書いてある製品でも、防炎性能はものによって異なるため、バーベキューをする予定がある場合は、人工芝選びにも注意してください。
施工時にバーベキュースペースを作っておきたい場合は、専門業者に人工芝とバーベキュースペースの施工の両方について相談してみましょう。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。