お庭に緑が欲しいときにぴったりなのが、癒しの景観を作れる芝生の敷設です。
しかし、「人工芝と天然芝の違いは?」「やっぱり天然芝のほうがいいかな?」と悩んでしまい、なかなか決められない人も多いでしょう。
今回は、人工芝と天然芝の特徴を紹介、景観・コスト面の違いについて比較します。
人工芝と天然芝はどちらも異なる魅力を持っており、人によって合う合わないがあります。自分に合う芝生の種類を確認してみましょう。
人工芝と天然芝の特徴

まずは人工芝と天然芝の特徴について紹介します。
人工芝と天然芝は特徴も性質も大きく異なるため、芝生選びでは最初に確認しておきましょう。
人工芝の特徴と種類
人工芝とは、合成樹脂を使って芝生に似せて作られた人工的な芝生です。
素材にはポリプロピレンやポリエチレン、ウレタンなどが使用されています。
天然芝に似せて作られているとはいえ、安価な人工芝であれば人工物感を強く感じる人もいるでしょう。
一方で、芝葉の長さや色を工夫してリアルな芝生に近づけた商品もあるため、選ぶ商品によって見た目は大きく変わるといえます。
芝葉の長さはロングやショートと種類が豊富で、自分の好みや設置場所によって選ぶことができます。
テープや釘で固定するロールタイプや、人工芝同士を直接つなぎ合わせられるジョイントマットタイプなど、設置方法による分類もあります。
天然芝の特徴と種類
天然芝とは、植物の芝生のことで、人工芝と比較する際によく使用される表現です。
本物の植物なので、四季の移り変わりによる芝生の色の変化や、都会に住んでいても自然の癒しや心地よさを肌で感じることができます。
天然芝は日本芝と西洋芝に大きく分けられ、それぞれ複数の品種が存在します。
お庭に敷く場合は1種類のみを敷くのが一般的なので、居住地域の気候や環境に合わせて適した品種を選ぶ必要があります。
関連記事:【人工芝と天然芝の違いは?素材や特徴、メリット・デメリットを解説】
設置場所と景観から比較する人工芝と天然芝の違い

人工芝と天然芝は、設置できる場所や景観の面でも大きな違いがあります。
そこでここからは、人工芝と天然芝の設置場所と景観の違いを、比較してみましょう。
人工芝は場所を選ばず設置可能
人工芝は植物ではないため、土がなくても設置が可能です。
お庭はもちろん、コンクリートの屋上やベランダ、バルコニー、フローリングの室内であっても人工芝なら場所を選ばず設置できます。
ロールタイプではカットが可能、ジョイントタイプは1つひとつの人工芝は小さいマットなので、設置するスペースに合わせやすいメリットもあります。
天然芝は日当たりの良い場所に適している
天然芝は植物なので、太陽の光が必要です。
そのためお庭の日当たりが良いのであれば、天然芝の設置を検討するとよいでしょう。
天然芝は日光を好む植物で、日照時間が1日のうち5時間を下回ると上手く成長できません。
日当たりの悪い箇所は芝葉を長くして光合成をしやすくしたり、水がたまらないよう水やりに注意したりと一定の配慮が必要です。
天然芝は季節に応じて変化を楽しめる
季節による色の変化は天然芝の大きな特徴です。
天然芝は春から夏にかけては青々と美しい緑色をしていますが、秋から冬にかけては枯れて茶色く変色します。
人工芝であれば、1年を通して緑が楽しめますが、冬に一面緑のお庭に対しては「季節感に合わない」「違和感を覚える」という意見もあります。
自然本来の色の移ろいは、長く日本人が大切にしてきたもの。四季の変化を楽しむ・愛でるという点では、天然芝が最適といえるでしょう。
人工芝なら屋内や屋上でも緑を楽しめる
人工芝であれば、公園がない街中でも、気軽に緑を楽しめむことができます。
お庭やベランダ、屋上に人工芝を敷くことで、リラックス空間を演出できるだけでなく、子どもやペットが気軽に緑の芝生で遊ぶこともできるでしょう。
また、屋内に設置することも可能なので、オフィスや店舗をおしゃれな空間にする効果も。
人工芝には天然芝を敷けない場所でも、気軽に緑を取り入れることのできる魅力があります。
手入れやコストで比較する人工芝と天然芝の違い

最後は、お手入れとコスト面から、人工芝と天然芝を比較します。
人工芝は初期コストが高く手入れの手間がかからない、天然芝はランニングコストが高く手入れの手間がかかります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
天然芝は手入れが大変・人工芝は手入れが楽
人工芝は植物ではないため、育てたり手入れをする必要がなく、敷設後のメンテンナンスに手のかからない点が大きな特徴です。
一方の天然芝は、芝刈りや雑草の手入れ、病気の対策が必要で、メンテンナンスに手のかかる傾向があります。
できるだけお手入れを簡単にしたいなら人工芝、手入れが必要でも自然の緑を敷きたいなら天然芝が向いているといえます。
設置コストは人工芝のほうが高くなりがち
同じ面積の人工芝と天然芝であれば、人工芝のほうが商品の価格も設置コストも高くなります。
1㎡当たりで比較すると人工芝は1万円前後、天然芝は3,000~6,000円程度が一般的。
さらに、人工芝を土の上に設置する場合、下地の整備や雑草対策として防草シートの設置が必要になります。
施工費用などその他の費用もふまえて設置コストだけを見ると、人工芝のほうが高くなるでしょう。
天然芝の施工費用は人工芝よりも安価に抑えることができ、広さや地盤の状態にもよりますが人工芝の10分の1程度で済む場合もあります。
ランニングコストは天然芝のほうが高くつく
ランニングコストに関しては、天然芝のほうが人工芝よりも高くなる傾向があります。
天然芝の景観を守るためには、雑草の除去や、病気の対策、薬剤・肥料・芝刈り機の購入などメンテナンス費用がかかります。
一方、人工芝のメンテナンスは掃除機でごみを吸ったりブラシで芝を立たせたりする程度で、コストがほとんどかかりません。
人工芝は適切に設置しておけばランニングコストがほぼ必要ないので、初期コストはかかるものの、トータルで考えると出費を抑えられる可能性があります。
人工芝・天然芝の違いを知って自分に合った芝生を選ぼう
人工芝と天然芝はそれぞれ魅力がある一方で、デメリットもあります。
人によって何を求めるのかが異なるため、自分に合う芝生を探しましょう。
人工芝であっても、天然芝であっても種類が複数あり、その種類によっても設置方法や設置環境に向き不向きがあります。
芝生選びでは、専門的な知識がある人や業者、お店のスタッフに相談するのがオススメです。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。