人工芝を検討している人のなかには、「人工芝は冬でも楽しめるのか気になる」、「人工芝に雪が積もっても大丈夫なのか知りたい」という人もいるでしょう。
寒冷地に住んでいる人にとっては、とくに気になる問題です。
今回は、人工芝が冬に向いている理由と、冬場の人工芝のお手入れポイントと注意点を紹介します。
冬の季節に人工芝をオススメする理由

一般的に人工芝は、上に雪が降り積もっても耐えられる仕様となっています。
それをふまえて、冬こそ人工芝をオススメしたい理由は下記の3点です。
- 鮮やかな緑を冬場でも楽しめる
- 積もった雪に土が混ざらない
- 落ち葉や雪の掃除が簡単
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
鮮やかな緑を冬場でも楽しめる
天然芝は植物なので、冬になるとどうしても枯れて変色してしまいます。
しかし、人工芝は合成樹脂でできているため、冬になっても芝葉が変色することはありません。
人工芝なら、冬でも鮮やかな緑の芝生を楽しむことができます。
1年を通して青々とした緑のお庭や屋上が欲しい、という場合に人工芝はぴったりといえるでしょう。
積もった雪に土が混ざらない
少量の積雪がある地域では、積もった雪と土が混ざり合ってしまって、服や体が黒く汚れてしまうことがよくあります。
一方で、人工芝を土の地面に敷設する場合、雑草が生えてこないように防草シートを敷きます。
そして、防草シートの上から人工芝をかぶせるため、土と雪が直に接することはありません。
人工芝を敷いていれば、雪が積もったときに子供やペットが外に出て思いっきり遊んでも、泥で汚れる心配はなくなるでしょう。
落ち葉や雪の掃除が簡単
人工芝のお手入れは、非常に簡単です。
落ち葉はほうきで掃き出し、細かなごみは掃除機で吸うだけでOK。
人工芝の上に雪が降り積もってしまった場合でも、角スコップを使って通常の除雪と同じように雪かきができます。
さらに、土や砂利を一緒にすくってしまう心配がないため、雪かきがスムーズに進むというメリットもあります。
雪が泥で汚れないため、気分的にも負担を軽減することができるでしょう。
冬の人工芝のお手入れポイント

人工芝は冬の寒さや雪に耐えることができますが、お手入れは春~夏とは少し異なります。
ここでは、冬の人工芝のお手入れポイントについて紹介します。
多少の雪なら水で流せばOK
多少の積雪であれば、水で流すだけで除雪が完了します。
人工芝は適切に敷設しておけば、透水穴と呼ばれる穴から水を排水してくれます。
雪を洗い流した水も透水穴から排出されるため、水で流してしまっても問題ありません。
ただし、地面に吸水性がなければ流した水が地面の上に溜まってしまい、人工芝にカビが生えたり、寒さで凍ってしまったりする可能性があります。
人工芝を設置する場合は、必ず水はけのよい下地を作っておくことが重要です。
積もった雪はスコップで丁寧に取り除く
しっかりと積雪がある場合は、一度スコップで丁寧に除雪してから水を流すようにしましょう。
あまりに多量の水を流すと、しっかり下地作りをした地面でも水を吸いきれなくなってしまいます。
ある程度スコップで除雪すれば、先述の通り水で流しても構いません。
長期の積雪で芝が寝てしまったらデッキブラシで起こす
多量に雪が積もる地域や、長期間雪が積もったままの状態になる地域であれば、冬の間は放置して雪解けの時期まで待つ、ということもあるでしょう。
人工芝の上に雪が積もったまま放置しても、大きな問題はありません。
しかし、長期間重たい雪が乗っていたことで、人工芝の芝葉が寝たままになってしまうことがあるため、雪が解けたら芝のお手入れが必要です。
芝葉が寝てしまった場合は、逆毛になるようデッキブラシで芝葉を起こしましょう。
積雪がなくても使用しているうちに芝葉が寝てくることがあるため、定期的にデッキブラシをかけるのがオススメです。
冬の人工芝の注意点とオススメ施工時期

冬でもメリットが多い人工芝の設置ですが、人工芝の選び方や施工時期について注意点もあります。
最後は、冬場に人工芝を上手に活用するために覚えておきたいポイントを、まとめて紹介します。
静電気対策には静電気抑制加工された人工芝がオススメ
人工芝の素材は合成樹脂、つまりプラスチックです。
冬場になると静電気が発生しやすくなるので、気になる場合は静電気加工された人工芝を選ぶのがオススメです。
静電気は、人や衣服にたまった電気が、他の物体に触れて放出されることで発生します。
そのため、静電気除去シートに触ったり、衣服に静電気防止スプレーを吹きかけることでも防止できますが、お庭に出るだけのための対策としては少し面倒。
人工芝で静電気を抑制しておくほうが使いやすいでしょう。
積雪が多い地域では透水性に優れた製品を選ぶこと
積雪が多い地域では、雪が解けたり除雪の際に水を流したりすることが頻繁に起こります。
そのため、人工芝を選ぶときはとくに透水性能が高い人工芝を選ぶようにしましょう。
屋外用の人工芝であれば透水穴がついている人工芝がほとんどですが、その性能は製品によって異なります。
透水穴が少ないと水はけが悪くなりがちなので、透水穴が多く空けられている製品を選んでください。
雑草が枯れてかつ雪積のない秋と春の施工が最適
雪国の場合、冬場は雪が積もって人工芝を敷設するのは難しいでしょう。
一方で夏は雑草が増えやすい時期なので、雑草が枯れたあとの秋や、雑草が生える前の春に施工をするのがオススメです。
人工芝の施工では、しっかりと根まで雑草を除去し、水はけの良い地面を作り、防草シートを設置したうえで人工芝を敷いていきます。
雑草がきちんと除去できていないと、将来的に防草シートや人工芝を突き抜けて雑草が生えてくる可能性があるので要注意。
また、下地作りは人工芝の施工でもっとも重要といえる段階です。
下地作りが甘いと、人工芝に水たまりができたり、地面が沈み込んだりする可能性があります。
下地作りの知識がない場合は、プロの業者に相談するのがオススメです。
人工芝は冬場や雪国でも大活躍!下地の施工と製品選びは慎重に
冬の人工芝は、魅力が多くあります。
人工芝の敷設を検討している人は、排水性能や静電気抑制加工の有無を確かめながら、実際の製品を探してみましょう。
また、下地作りや施工の技術によっても、水はけの良し悪しが変わってきます。
水はけのよい地面の作り方がわからなかったり、施工に慣れていなかったりする場合は、人工芝を敷設してくれる業者に依頼するのがオススメです。
人工芝は正しく施工できれば、屋外でも7~8年程度の寿命があります。
しかし、安価すぎる人工芝を選んだり施工に問題があったりすれば、2~3年で再施工が必要になることも。
余計な費用を抑えるためにも、不安な場合はプロの業者に相談するのがよいでしょう。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。