人工芝の設置を考えている人のなかには、人工芝の芝葉の長さをどうするか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
芝葉の長さが違うと、見栄えや触り心地、クッション性なども変わってきます。
本記事では、人工芝の長さ別に特徴や、使用目的についてご紹介します。
長さが決めきれないという人向けに、オススメの芝葉の長さも解説します。
人工芝の芝葉の長さと特徴
まずは、人工芝の芝葉の長さと、それぞれの違いについてみていきます。
人工芝の芝葉は、ショートパイル・ロングパイルに大別されますが、今回は標準的な芝葉の長さを加えた3種類について解説します。
28〜30mmが天然芝の長さに最も近く標準的

人工芝の芝葉の標準的な長さは、28~30mm程度です。
28~30mmの芝葉は、天然芝に近い長さで、リアリティのある見た目でありながら、適度なクッション性があります。
見た目とクッション性、感触のバランスが良いため、子どもやペットも遊びやすく、どのようなシーンでも使いやすいベーシックなタイプといえるでしょう。
たとえばドッグランでは、ショートパイルではクッション性が足りない、ロングパイルだと足を取られて嫌がる犬が多いということで、標準的な長さの芝葉がよく選ばれます。
シーンを選ばず使いやすいため、実際に販売されている・売れている製品の多くが、28〜30mm程度の芝葉です。
10mm前後のショートパイルはパターゴルフ向き

芝葉の長さが10mm前後の人工芝は、ショートパイルと呼ばれています。
ショートパイルの人工芝は、天然芝のような見た目が魅力。
ただし、クッション性やフワフワとした触り心地はないため、子どもやペットの遊び場や、リラックス空間を作りたいときには不向きです。
一方で、毛足が長くないためボールや足を取られることがなく、スポーツを楽しむときにはぴったり。
自宅でパターゴルフの練習をしたいという人であれば、ショートパイルの人工芝がオススメです。
40mm以上はリアリティよりも感触重視

芝葉の長さが40mm以上ある人工芝は、ロングパイルタイプと呼ばれます。
ロングパイルの人工芝は、見た目のリアルさは乏しいものの、しっかりとしたクッション性が持ち味。
フワフワとした触り心地なので、子どもの室内遊びや、芝生の上でリラックスしたいというときに向いています。
一方で、天然芝と比較して芝葉が長すぎるため、リアリティに欠けるのが弱点。
景観目的にはあまり向かないと言えるでしょう。
目的別人工芝オススメの長さ
続いては、目的別にオススメの芝葉の長さを紹介します。
- 天然芝らしい見た目が欲しいならショートパイル
- クッション性の高さを重視するならロングパイル
- その他の用途なら標準的な長さのパイル
それぞれについて詳しくご紹介するので、人工芝選びに迷ったときの参考にしてください。
天然芝っぽいリアルな見栄えを重視するなら10mm台
天然芝のようなリアルな見栄えを重視して選ぶのであれば、10mm台のショートパイルを選びましょう。
多くの人工芝では、緑の芝葉の中に、縮れた茶色の芝葉が織り交ぜてあります。
茶色の芝葉は枯れた芝を模しており、自然に近い雰囲気が演出されています。
ロングパイルだと、緑の芝葉が茶色の芝葉を覆ってしまいリアルさが落ちてしまいます。
ショートパイルであれば、緑の芝葉も短いので、縮れた茶色の芝葉がしっかり見えて、天然芝のようなリアルさを感じられるのです。
屋内でクッションやシート代わりに使うなら40mm以上
40mm以上のロングパイルは、芝葉の長さがかなりあるため、芝の上を動き回るのには向いていません。
そのため、屋内でのクッションやシート代わりに使うのがオススメ。
しっかりとしたクッション性があるため、もし子どもが転んでしまっても、固い床に頭や顔を打ち付けることはありません。
リビングや子ども部屋に敷けば、フワフワとした手触りに癒されることでしょう。
見た目と感触どちらも欲しいなら28mm~30mm
見た目も感触も捨てきれないという人なら、標準的な28mm~30mmの人工芝を選んでおくのが安定です。
全体的なバランスが良いため、用途やシーンを選ばず使うことができます。
スポーツ用に人工芝を敷きたい・子どものために特別にクッション性が高いスペースを作りたいという人でない限り、だれでも幅広く活用できるでしょう。
長さを基準に人工芝を選ぶ際の注意点

最後は、人工芝を選ぶときに気を付けたい、芝葉の長さに関する注意点を確認しておきましょう。
短い芝葉の人工芝はクッション性が低く高級感も薄い
ショートパイルの人工芝はリアルな見た目が作りやすい一方で、クッション性がなくぺらぺらな印象を抱かれがちです。
そのため、高級感を演出することには向いていません。
また、触り心地も長い芝葉のものと比較すると決して良いとはいえず、座って過ごすといった用途にも向きません。
屋内に敷いてラグジュアリーなリラックス空間を作りたいという場合には、長い芝葉の人工芝を選んだ方がより満足感を得られるでしょう。
長すぎる芝葉はリアリティに乏しく熱がこもりやすい
長い芝葉は触り心地が良い反面、リアルさに欠ける点が弱点です。
また、熱を溜めやすい性質にも要注意です。
人工芝は合成樹脂、つまりプラスチックでできています。
炎天下のベンチが触れないほど熱くなるように、人工芝も長時間太陽光を受けると熱くなります。
プラスチックの面積が増えるほど、太陽光に晒される面積も大きくなるため、より多くの熱を溜めて熱くなってしまいます。
屋外に人工芝を敷設し、子どもやペットが遊ぶという場合は、長すぎる芝葉の人工芝は避けたほうが無難でしょう。
30mm前後の製品は数が多く品質のばらつきも大きい
標準的な芝葉の長さを持つ人工芝は、その使いやすさから人気が高く、販売されている製品数もかなりのもの。
自分好みの人工芝を選べる一方で、製品によって品質や性能にばらつきがある点には要注意です。
人工芝の品質は、見た目だけでは判断できません。
芝葉の密度や、抗菌や耐熱などのプラスの性能はさまざま。
また、屋外に敷設する場合は、水はけの良さも必ずチェックする必要があります。
安い製品の中には透水穴がないものもあるため、要注意です。
迷ったときは標準的な芝葉の人工芝がオススメ
ここまでご紹介した通り、人工芝の芝葉の長さには主に3種類あります。
どうしてもショートパイル・ロングパイルが良いという事情がない場合は、標準的な芝葉の長さである28~30mmの人工芝がオススメです。
見た目・クッション性・感触のバランスがよく、使用シーンを問わず使うことができます。
芝葉が28〜30mmの人工芝は、製品数も多く自分に合う人工芝を選びやすいものの、品質のブレも大きいという注意点があります。
購入時には人工芝の専門業者に相談したり、実際にサンプルを取り寄せるなどして、慎重に選定することをオススメします。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。