天然芝の代替品として人気を集める人工芝。
なかには本物と見間違えるほど、リアルな人工芝も存在します。
人工芝のリアルさを演出する上でもう1つ重要なのが、継ぎ目を目立たせないこと。
いくら品質の高い人工芝を敷いても、継ぎ目が見えるとどうしても人工感が出てしまいます。
この記事では、継ぎ目を目立たせないように人工芝を施工するためのポイントを、まとめて紹介します。
人工芝の継ぎ目とは?なぜ継ぎ目が見える?

まずは、「人工芝の継ぎ目がどのようなものなのか」という点、そして「なぜ継ぎ目が目立ってしまうのか」という点から解説していきます。
天然芝にはない特徴のため、天然芝からの張り替えの際にもチェックしておきたいポイントですね。
人工芝の継ぎ目
人工芝の継ぎ目とは、文字通り人工芝と人工芝をつなぎ合わせた境目の部分を指します。
<人工芝の種類>
- 四角いパネル状の人工芝をつなぎ合わせて設置する「ジョイントタイプ」
- ロール状の人工芝を並べて敷き詰める「ロールタイプ」
人工芝には、おもに上記の2種類がありますが、いずれにしても、設置するスペースに合わせてサイズや形を調節しなければなりません。
また、広いスペースに人工芝を設置する場合、いくつものパネルまたはロールを敷き詰めることとなります。
それぞれの人工芝の境目が、人工芝の継ぎ目となります。
継ぎ目が見える理由
敷き詰めた人工芝と人工芝の継ぎ目は、ちょっとした工夫で目立たなくなります。
しかし、なぜ継ぎ目が不自然に見えてしまうのでしょうか。
その理由は、おもに人工芝の種類と施工方法にあります。
たとえば、芝目の向きがバラバラになると、パネルやロールごとの境目がはっきりと目立ってしまいます。
これは、人工芝のパイルには芝目(パイルが傾いている一定の向き)があるためです。
また、複数の人工芝をつなぎ合わせる場合、どうしても境目が生まれます。
この時、パイル(芝の葉)が短い人工芝を選んでいると、継ぎ目を隠すものがないため、境目が目立ちやすくなります。
人工芝の継ぎ目が目立たない施工&施工用品

それでは、継ぎ目を目立たせないように人工芝を設置するには、どうすれば良いのでしょうか。
ここからは、人工芝の継ぎ目が目立たない施工について解説します。
継ぎ目を目立ちにくくするために、施工時にあると便利な施工用品もあわせて見てみましょう。
芝目を揃えて設置する
設置時には、芝目を同じ向きにすることを意識しましょう。
芝目は見た目でもわかりやすいですが、細かいスペースに合わせて切り貼りして設置するときは、間違えないよう注意が必要です。
芝目がわかりにくい場合は、見る方向を変えながらパイルのテカリ方をチェックするのがおすすめです。
継ぎ目周りをしっかり固定する
人工芝が浮いたりズレたりすると、人工芝と人工芝の隙間ができ過ぎて、継ぎ目が目立ってしまいます。
そのため、継ぎ目部分には強力な両面テープややU字釘などを使って、しっかりと固定しましょう。
下地に人工芝を固定しにくい場合は、ズレないように粘着テープで人工芝同士をつなぎ合わせるのがおすすめです。
カッターを使って裏からカットする
設置するスペースに合わせてカットできる人工芝。
切断する場合は、ハサミではなくカッターを裏面から使用してください。
ハサミを使う・表からカットすると、パイルも一緒に切ってしまいがちです。
周りのパイルが短くなり、結果的に継ぎ目が目立ってしまいます。
人工芝をカットする場合は、道具・切り方にも配慮しましょう。
継ぎ目部分のパイルをとめておく
施工時には、継ぎ目部分のパイルを巻き込んで設置してしまう場合があります。
長めのパイルを使う場合は、設置時に粘着テープなどにくっついたり、下地とのあいだに入り込んだりしないように、あらかじめテープでとめておきましょう。
マスキングテープや養生テープなど、あとから剥がしやすいテープを使用するのがおすすめです。
継ぎ目が目立ちにくい人工芝の選び方

施工はもちろんですが、どのような人工芝を選ぶかも重要です。
最後は、継ぎ目が目立ちにくくなる人工芝の選び方を紹介します。
パイルが長い・高密度の人工芝を選ぶ
先述のとおり、パイルが短いと継ぎ目がそのまま見えてしまうため、境目が目立ってしまいます。
そのため、継ぎ目を隠せる長さのあるパイルの人工芝を選ぶのがおすすめです。
また、密度が高いパイルの人工芝を使用することで、継ぎ目を隠しやすくなります。
継ぎ目が最小限に抑えられる人工芝を選ぶ
広いスペースに人工芝を敷きたい場合はロールタイプ、とくに幅広で長い商品を選ぶようにしましょう。
ジョイントタイプや小さい・短い人工芝を選んでしまうと、何枚もの人工芝を継ぎ目が増えてしまいます。
広いスペースに人工芝の設置を考えている場合は、できるだけ大きな人工芝を選ぶと良いでしょう。
天然芝に近い人工芝を選ぶ
人工感が強い人工芝ほど、芝の向きが揃っていたり、パイルの長さが均一だったりするため、ちょっとしたズレでも継ぎ目が目立ちやすくなります。
一方で、天然芝に近い人工芝は、芝目の向きやパイルの長さがバラバラに作ってあり、多少のズレがあっても継ぎ目を目立たせずに設置することができます。
天然芝に近いリアルな人工芝は、見た目や質感が良く、よりリラックスできる芝空間を作れるでしょう。
人工芝の継ぎ目は高品質の商品と施工の技術でカバーしよう
ここまでご紹介した通り、人工芝の継ぎ目は商品の選び方と施工でカバーできます。
手軽に設置できるジョイントマットは、どうしても継ぎ目が目立ちます。
継ぎ目なしで綺麗に設置したい場合や、庭など広いスペースに全面敷きたい場合は、ロールタイプの製品がおすすめです。
ただし、ロールタイプであっても継ぎ目が見えなくなるよう綺麗に施工するには、技術が必要。
また、人工芝の施工は下地の整備や防草シート設置など、今回ご紹介したポイント以外にもさまざまな工程や注意点があります。
下地の施工が原因で継ぎ目が浮いてきたり目立ったりすることもあるため、施工の知識が十分にない場合や施工に自信がない場合はプロの専門業者に相談してみましょう。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。