さまざまな魅力がある人工芝を、お庭やバルコニーに敷設しようと考えている人もいるでしょう。
一方、人工芝の施工には一定の費用がかかるものなので、人工芝の寿命がどれくらいもつのか、長持ちさせるにはどうしたら良いのか気になるところです。
今回は、人工芝の寿命と、人工芝を劣化させる使い方や長持ちさせるコツについてまとめて紹介します。
人工芝の用途別寿命
一般的に、人工芝の寿命は使用するシーンや環境によって年数が変動します。
まずは、用途別に人工芝の寿命を確認しましょう。
屋外
お庭などの屋外に人工芝を施工した場合の平均的な寿命は、7~8年程度といわれています。
人工芝の種類によって8年以上もつこともありますが、2,3年で劣化してしまう商品も。
屋上やテラスなど、摩耗が少ないことが予想される場所では、9年程度が目安となります。
反対に、テニスコートやグラウンド、幼稚園の園庭に使われる人工芝の寿命は短く、4~7年程度が目安です。
室内
室内に人工芝を施工する場合、人工芝の劣化が遅くなるため、11年程度はもつといわれています。
同じ商品であっても、屋外に敷設した場合と室内に敷設した場合では、寿命に違いが出ることが予想されます。
ただし、室内であっても、幼稚園やオフィスなど多くの人が行き来するケースでは、一般家庭に敷設するよりも寿命が短くなる可能性があります。
人工芝の寿命を縮める環境や使い方

つづいては、人工芝の寿命を縮める使い方について確認しておきましょう。
気を付けるポイントを知っているだけでも、寿命を伸ばすことにつながります。
紫外線に長期間さらされる場所に設置している
人工芝は合成樹脂、つまりプラスチックでできています。
プラスチックは紫外線によって劣化する特性を持っており、長く紫外線にさらされると変色や脆化し、寿命は短くなります。
屋外に設置されているプラスチック製の遊具やベランダの洗濯ばさみで、同様の現象が起こっているところを見たことがある人も多いでしょう。
そのため、大きな窓の傍や屋外に敷いている場合は、人工芝の寿命が短くなる傾向があります。
雨風にさらされる場所に敷いている
屋外に敷いている場合、どうしても雨風にさらされてしまいます。
プラスチックの種類によっては、加水分解(水に化学物質が反応して、生成物に分解される化学反応)で、劣化することがあります。
目に見えて溶けるということはなく、長年にわたって雨や雪などの水分にさらされることで徐々に劣化していきます。
摩耗されやすい環境で使用されている
スポーツをプレイする・子どもやペットが走り回る・頻繁に人が行き来する場所に敷いている人工芝も、寿命が短くなります。
これは、パイル(人工芝の葉)が擦れて、物理的に摩耗してしまうためです。
重たいものを長期間置きっぱなしにしている
人工芝のパイルは定期的にブラシをかけて起き上がらせないと、ペタンと倒れてしまいます。
とくに、重たいものを長期間置いたままにすると、クセがついてしまい、プラシをかけてもパイルが立ち上がらなくなります。
触り心地も悪くなるため、撤去や張替までの時間が短くなる点に注意しなければなりません。
長持ちする人工芝の選び方
人工芝が劣化しやすい環境や使い方をしないことはもちろんですが、長持ちしやすい人工芝を選ぶことも重要です。
ここでは、長持ちする人工芝の選び方をチェックしましょう。
紫外線に強い・耐久性が高い素材でできている
人工芝のパイルには、おもにナイロン・ポリプロピレン・ポリエチレンのいずれかの素材でできています。
このなかで、とくに紫外線に強く、耐久性が高い素材がポリエチレンです。
見た目は人工感が強いですが、長持ちさせたい・屋外で使用するという場合は、ポリエチレン製の人工芝がおすすめです。
UVカット加工がされている
もともとプラスチックは紫外線に弱いことから、パイルにUV加工を施している人工芝が存在します。
紫外線による劣化を軽減できるため、変色したり、ボロボロになったりしづらく、UVカット加工がない人工芝より長く使えるでしょう。
パイルに立体的で厚みがある
パイルの断面はI型・W型などアルファベットの形をしており、商品によって異なります。
I型のように平面的で厚みがない人工芝は、パイルが潰れやすい・倒れやすい特性があるため、長持ちさせたいときには不向きです。
長く使いたい場合は、D型やW型など立体的、かつ厚みがある人工芝を選ぶのがおすすめです。
パイルの密度が高い
パイルの密度も人工芝によって異なります。
パイルの密度が高いと、パイル同士が支え合える・パイル1つひとつへの負荷が小さいなどの理由から、長持ちする傾向があります。
パイルの密度が低いと、触り心地や見た目も悪くなりがちなので、高密度の人工芝を選ぶと良いでしょう。
裏地が水・湿気に強い素材でできている
ポリウレタンは水や湿気に強く、加水分解を起こしません。
人工芝の裏地は、パイル以上に長時間水にさらされる可能性があるため、水・湿気に強い素材を使用しておくことで長く使い続けることができます。
ゴム製の裏地も比較的耐久性が高いですが、ポリウレタンのコーティングを施してあると、さらに寿命が伸びる可能性があります。
人工芝を長持ちさせるための施工前&施工後のコツ

どんなに高品質な人工芝を選んでも、施工に不備があったり、メンテナンスを怠ったりすると、寿命は短くなってしまいます。
最後は、人工芝を長持ちさせるために気を付けたい、施工前&施工後のポイントについて解説します。
下地が崩れないよう水はけをよくする
人工芝を長持ちさせるためには、下地をしっかりと整備することが重要です。
とくに、屋外に施工する場合は、雨風や雪解け水などがたまる可能性があるため、しっかり水を排出できる下地を作る必要があります。
土の上に人工芝を敷設する場合は、砕石や砂などで排水層を作りましょう。
排水口や排水溝の場所も意識して、上手く水の流れを作ることが大切です。
定期的にお手入れする
人工芝は天然芝ほど手がかかりませんが、まったくお手入れが不要なわけではありません。
食べ物や飲み物がこぼれたら丁寧に拭き取る、ブラシを使ってパイルを立たせる、ゴミを掃除機で吸い取るといった手入れを行いましょう。
重たいものを置いている場合は、置き場所を移動させることも効果的です。
いずれも、そこまで時間がかかるメンテナンスではないので、定期的に行うようにしましょう。
専門業者に依頼すれば商品選びから施工まで間違いなし!
人工芝の寿命は、環境や用途によって変わるものです。
長持ちさせやすい高品質な人工芝を選び、適切な施工とお手入れを行えば10年はもたせることができます。
人工芝を長く楽しみたいなら、専門的な知識と技術を持ったプロに依頼するのがおすすめです。
とくに、施工に関しては、設置する下地や環境を考慮する必要があるため専門的知識や経験が必要となります。
人工芝の施工に明るくない場合は、まずは業者に相談してみましょう。

株式会社モノガーデンのゼネラルマネージャー。モノガーデンオリジナル人工芝の商品開発・改良、品質管理責任者。モノガーデンの人工芝施工では主に現場監督を担当、自ら施工もこなす。