自宅の庭に人工芝を設置する人が、近年増えてきています。
最近はホームセンターでも人工芝が販売されており、ネット通販でも手軽に購入することができます。
人工芝は、設置することでお庭がおしゃれに見えるだけでなく、雑草対策にもなるなど、多くのメリットが存在します。
しかし、一言で「人工芝」といってもさまざまな種類があり、特徴から形状まで多種多様。
どんな商品を選べばいいのか、迷ってしまう方も多いことでしょう。
人工芝の違いとして、一番わかりやすいのが「芝葉の長さ」です。
芝葉の長さによってメリットとデメリットが異なるため、用途に合ったものを選ぶことが大切です。
しかし、人工芝は頻繁に購入するものでもないため、「何がどう違うのかわからない…」と悩む方も多いと思います。
そこで今回は、芝葉の長さによるメリットとデメリットを詳しくご紹介していきます。
ぜひ人工芝選びの参考にしてください。
人工芝の芝葉の種類は大きく2つ

芝葉の長さは、大きく「ショートパイル」「ロングパイル」の2種類に分類されます。
まずは、ショートパイルとロングパイル、それぞれの特徴をご紹介していきます。
ショートパイルの特徴
「ショートパイル」はその名の通り、短い芝葉が特徴です。
芝が短めで、メンテナンスが簡単。
しかも使用しないときはロール状に巻いて持ち運んで保管することもでき、使いやすいのが大きなメリットです。
縮れた枯れ葉が芝葉に混ざっていますが、短い芝葉だとよりリアルに見えるため、インテリアとしてきれいな芝生を見せたい人にはぴったりの商品です。
ロングパイルの特徴
ロングの名の通り、長い芝葉が特徴の「ロングパイル」。
芝葉が長いため、クッション性が高く子供や犬がケガをしにくいのが特徴です。人工芝クッション性には密度がもっとも重要ですが、実はロングパイルの人工芝は密度が高いものが多く、自然と高いクッション性を持つことになります。
ショートパイルのものと比較すると、芝葉が長い分巻いてもサイズが大きく、持ち運びが大変な点はデメリットです。
とはいえ、自宅のお庭等に設置する分にはデメリットにはなりません。
長い芝葉のメリットとデメリット
長い芝葉の人工芝には、以下のようなメリットがあります。
- クッション性が高い
- 天然芝そっくり
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 枯れ葉が見にくく芝生っぽさが薄れる
- 短い芝葉よりも高額
- 高温になりやすい
一つずつ解説していきます。
メリット1:クッション性が高い
芝葉が長い人工芝は、密度も高いものが多いため、クッション性の高さが特徴です。
子供やペットが思いっきり遊ぶときの、けが防止にもつながります。
長い芝生はサッカー競技場などにも使われているように、転がってもケガをしないように作られています。
また取り外しが不可能な分、しっかりと固定されているため、思いっきり走っても芝生がずれたりすることがなく、安心して遊ぶ事ができます。
メリット2:天然芝そっくり
長い芝葉の人工芝は、天然芝の踏み心地にそっくりの柔らかい感触を楽しむことができます。
競技場などの本格的な人工芝は、多くの場合充填剤が埋め込まれているため、芝葉がしっかりと立ち上がり、その感触を長く維持することが可能です。
デメリット1:枯れ葉が見にくく芝生っぽさが薄れる
短い芝葉に比べると、ロングパイルの人工芝は枯れ葉が見にくいため、インテリアとして楽しむには若干不向き。
「実用性よりも景観を重視した」という場合には、ショートパイルの人工芝の方が適しているでしょう。
デメリット2:ショートパイル製品と比較して高額
ロングパイルの人工芝は、ショートパイルの人工芝と比較すると、高額になりがち。
競技用の製品などは、プロ仕様ということもあり、高価な製品が多数あります。
コストを抑えたい、手軽に人工芝を楽しみたいという方には、選択肢になりづらいと言えるでしょう。
デメリット3:高温になりやすい
人工芝は、その素材の特徴から、熱をためやすい性質を思っています。
ロングパイルの人工芝は、密度の高い製品が多いこともあり、より熱を持ちやすくなります。
夏場の直射日光の下では、50度を超える高温になる場合も。
高温になりやすいことを理解したうえで、購入するようにしましょう。
短い芝葉のメリットとデメリット
短い芝葉の人工芝には、以下のようなメリットがあります。
- 本物の芝生のように見える
- 値段の選択肢が広く、手頃なものも多い
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- クッション性が低い
- 耐久性が低い
一つずつ解説していきます。
メリット1:本物の芝生のように見える
人工芝は、芝生のリアル感を出すために、緑の葉の中に枯れ葉を織り交ぜています。
ショートパイルの人工芝の場合、この枯れ葉が映えやすく、よりリアル感が出て「本物の芝生」のように見えます。
実用性よりもインテリアとしての人工芝を楽しみたい場合には、短い芝葉の人工芝を選ぶのがおすすめです。
メリット2:値段が安い
短い芝葉の人工芝は、比較的値段が安く、設置もしやすいのがメリットです。
また、ショートパイルの人工芝はジョイントタイプなどの取り外しが容易な商品も多い為、撤去や処分がしやすいのも特徴です。
手軽に人工芝を設置したい場合は、まずはショートパイルの製品から選択してみるといいでしょう。
デメリット1:クッション性が低い
短い芝葉の人工芝は、長い芝葉のものと比べてクッション性が低いというデメリットがあります。
とはいえ、クッション性は密度も重要なので、ショートパイルの人工芝の中でも密度の高いものを選ぶことで、クッション性を確保することは可能です。
デメリット2:耐久性が低い
玄関など頻繁に出入りする場所に人工芝を敷いた場合、芝葉の長さが人工芝へのダメージに影響します。
短い芝葉の場合、歩いたり物を置いた時の衝撃が、より直接加わりやすくなってしまいます。
そのため、人工芝の劣化が早く進んでいます場合があります。
目的別おすすめの芝葉の長さ

ここまで、長い芝葉と短い芝葉、それぞれのメリットとデメリットをお伝えしました。
向き不向きがはっきりとしているため、目的に合わせて選ぶことが大切です。
何を目的に人工芝を敷くのかをまず決めてから、商品選びをすることをおすすめします。
長い芝葉がおすすめの目的
- ペットを遊ばせたい
- 子供を遊ばせたい
- 本格的な人工芝を設置したい
短い芝葉がおすすめの目的
- 庭の景観をきれいにしたい
- 部屋に手軽に敷きたい
- ベランダに簡易的に敷きたい
目的にあった人工芝を選んで快適な人工芝ライフを
人工芝は、芝葉の長さによって、使用感や用途が大きく変わります。
目的もはっきりとしないまま、ホームセンターでとりあえず安いものを…と買ってしまうと、困ったことになるかもしれません。
人工芝は、いつでもどこでも緑を楽しめるだけでなく、雑草対策にも子供やペットの遊び場にも有効活用できます。
多目的に使えるからこそ、人工芝の特徴を理解して、商品選びはじっくりと行うことが大切です。
目的がはっきりしている場合は、その目的にあった人工芝をじっくりと検討しましょう。
不安な場合は、プロの人工芝施工業者に相談してみることもおすすめです。

株式会社モノガーデンのゼネラルマネージャー。モノガーデンオリジナル人工芝の商品開発・改良、品質管理責任者。モノガーデンの人工芝施工では主に現場監督を担当、自ら施工もこなす。