人工芝を庭やベランダ、屋上などに設置したいと思った際に、自分でDIYをするか、それとも業者に依頼するかで悩む方は多いと思います。
DIYでの施工も、業者に依頼して施工してもらうのも、双方にメリット・デメリットがあります。
自分の状況と照らし合わせて、施工方法をよく検討することが大切です。
この記事では、人工芝の具体的な施工方法やDIY・業者に依頼する場合のメリット・デメリットに加え、施工時の注意点について紹介します。
人工芝を施工する方法

まずは、人工芝を施工する方法や具体的な手順について見ていきましょう。
実際の手順を見てみると、「自分でできそう」と感じる方もいれば「業者に任せた方が安心だな」と感じる方もいると思います。
まだ判断がつかないとしても、事前に施工方法や手順を知っておくと、人工芝をDIYで設置するか業者に依頼して施工するか、検討がしやすくなりますよ。
DIYで施工する場合
DIYで人工芝を施工する場合の一般的な手順は、以下の通りです。
- 雑草や石を取り除く
- 余分な土を取り除きながら高さを調整する
- 土を平らにならす(踏んだり叩いたりして固める)
- 水はけの悪い場所には山砂などを敷き詰める
- 防草シートをU字ピンで止めながらサイズに合わせてカットする
- 人工芝をカットしながら隙間なく敷く
範囲が狭い場合や雑草などを取り除く必要がないような、ベランダ・屋上などであれば、1人でもDIYで比較的容易に設置することができます。
業者に依頼して施工する場合
業者に依頼して人工芝を施工してもらう場合は、以下の手順で行います。
- 雑草や石を取り除く(範囲が広い場合は農機を利用する場合も)
- 路盤材を敷く(山砂や再生砂、業者によっては真砂土も)
- 路盤材を圧し固める(ハンドガイドローラーなどを使用)
- 山砂や川砂などでレベル(水平)調整を行う
- 防草シートをカットしながら固定
- 人工芝を隙間がないように敷き詰めていく
- 状況に応じて充填剤を入れる
範囲が広い場所や、駐車場に隣接していてダメージを受けやすい場合などは、業者に依頼してしっかりと施工してもらう方が確実に長持ちします。
なお、スポーツフィールドとして施工する場合には、上記手順に加えて、充填剤(ゴムチップ)をクッション用に敷くこともあります。
人工芝をDIYで施工するメリット・デメリット

人工芝をDIYで施工するメリットとデメリットについて、ご紹介します。
どちらにもメリットやデメリットはあるので、施工場所の範囲や用途、自分の希望などを総合的に判断して決定することが大切です。
メリット
人工芝をDIYで施工するメリットは、費用が安く済む点です。
人工芝や防草シート、U字ピン、工具などの必要最低限の材料を揃えれば、あとはお金をかけずに設置することができます。
また、範囲が小さい場合であればその分施工の手間も少なく済むため、業者に依頼するよりも早く設置できるでしょう。
可能であれば、友人など人手を集めて複数人で分担して行えば、さらに労力を軽減することができます。
デメリット
デメリットは、DIYの限界で、雑草などが隙間から生えてきたり、シートが剝がれてきたりして寿命が短くなるケースがある点です。
カットが正確でなく人工芝同士に隙間ができてしまったり、土を圧し固める力が弱いなどの理由で水たまりができてしまうこともあります。
DIYは手軽に設置できる代わりに、どうしても施工の甘い部分が生まれることで、結果的に寿命を縮めたり張り替えの手間が増えてしまう恐れがある点には、十分留意しましょう。
人工芝の施工を業者に依頼するメリット・デメリット

ここからは、人工芝の施工を業者に依頼するメリット・デメリットについて見ていきましょう。
プロの業者に依頼するのと、DIYで行うのとではどのような違いがあるのか、要チェックです。
メリット
人工芝の施工を業者に依頼するメリットは、雑草が生えにくく水はけの良い下地を整えてもらえる点にあります。
プロの手でしっかりと整地し防草シートを設置してもらうことで、一定の水はけを保ちかつ雑草の心配もなくなり、人工芝を長持ちさせることができます。
施工後になんらかの不備が見つかった場合に、無料で手直しをしてもらえるアフターケアサービスを行っている業者もあります。
また、古くなった人工芝の張り替え作業を行う場合には、剥がした人工芝や除草シートなどの廃棄物の処理を依頼することもできます。
ワンストップで設置までの作業を全て任せることができるため、DIYが苦手な方はもちろん、忙しくて自分での設置ができない方にもおすすめです。
デメリット
人工芝を業者に依頼して施工してもらうデメリットは、DIYで行うよりも費用がかかる点です。
DIYであればほとんど材料費のみで施工することができますが、業者に依頼する場合は当然作業費等が発生するため、そのぶんDIYよりもコストがかかります。
「地盤の状態が著しく悪い」「天然芝からの全面張り替え」のようなケースでは、作業工程が増えるためその分コストも上がる場合があります。
また、業者に依頼する場合、作業日や時間を業者と擦り合わせる必要があるため、スケジュールの調整も必要です。
しかし、労力の負担やDIYより長持ちする点を考慮すると、長い目で見ると業者に依頼した方がコストが下がる場合がほとんどです。
費用だけを見るのではなく、長期的な運用を想定して検討することが必要です。
DIYで人工芝を設置・施工する際の注意点について

人工芝をDIYで設置する際には、どのような点に注意すべきなのでしょうか?
ここからは、実際にDIYで人工芝を施工する際に注意しておきたいポイントについて、ご紹介します。
下地となる土の準備をしっかりと行う
DIYで人工芝を施工する場合、下地部分の準備が非常に重要になります。
とくに屋外の土の上に敷く場合は、雑草や水はけなどを意識しながら下地を整えなければなりません。
水はけが悪いと、カビや害虫が発生する原因になる他、水たまりになって景観にも影響が出てしまいます。
できる限り平らになるように下地を整えておき、敷く場所に排水溝がある場合には、排水溝の高さよりも土が高くなるように盛ることが大切です。
防草シート・人工芝は隙間なく敷く
防草シートを敷く際は、隙間から雑草が生えないように、隙間なく端まで防草シートを敷く必要があります。
とくにシートとシートが重なる部分や、障害物などのまわりは隙間ができやすいので注意してください。
また、隙間ができないように敷こうとしてシート同士を大きく重なってしまうと、今度は継ぎ目が目立って景観が悪くなる上に、転倒等怪我の原因にもなりかねません。
シートは隙間なく、かつ過剰に重ならないよう、慎重に敷くようにしましょう。
カットするときは少し大きめに
人工芝をカットする時に大切なのが、少し大きめにカットすること。
障害物に沿ってカットする際、最初からピッタリの大きさにしようとしていませんか?
その場合、少しでもずれてしまうと隙間ができる原因になる上に、一度カットしてしまうと修正することができません。
あとから調整がきくように、障害物周りは少し大きめにカットし、少しずつ微調整しながら障害物に合わせていくようにしてください。
業者に施工を依頼する場合の業者選びのポイント

業者に人工芝の施工を依頼する場合、どこの業者に依頼すべきか迷うこともあると思います。
ここからは、人工芝の施工を依頼する業者を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントについて見ていきましょう。
無料見積りを行ってくれるところ
人工芝の施工は、Webサイトなどで費用が掲載されていても、実際の施工場所によって料金が大幅に変わる可能性があります。
そのため、事前に無料見積りを行ってくれる業者を選び、見積りを取った上で依頼するか判断しましょう。
「予算よりも高くなってしまったから断りたい」「事前に施工費用全体を把握したい」という場合でも、無料見積りであれば可能です。
また、複数の業者で悩んでいる場合は、相見積りを取って比較検討してもいいでしょう。
アフターケアサービスの有無
人工芝の施工後になんらかの不具合が発生した際、無料で調整や対応をしてもらえるアフターケアサービスがある業者がおすすめです。
施工した直後に部分的に隙間があることに気付いた、水たまりができてしまったなど、施工した後になって発生したトラブルに対応してもらえます。
基本的にはアフターケアサービスが受けられる期間や回数が決まっている場合があるので、アフターケアサービスの内容についても確認しておくと安心です。
アフターケアサービスの例
- 施工後1年間お直し無料
- 年に1度のメンテナンスサービスが無料でついている
- 月額制のアフターケアサポートに加入できる
- 基本的に破損時は無料で修理対応可能
業者によって提供している内容はさまざまですので、見積りを依頼する際などにあわせて確認しておくと安心ですね。
人工芝はいずれ経年劣化していくものではありますが、アフターケアサービスが受けられると、より長持ちするでしょう。
要望に合う施工の実績があるかどうか
施工費用が安いからといって安易に業者を決めてしまうと、あとからトラブルが発生したり、自分の求めるものとかけ離れた施工になってしまったりする可能性があります。
そのため、過去の実績をWebサイトで確認してみたり、自分の希望に合う施工をしてもらえるかを問い合わせておくことが大切です。
施工事例などの資料を配布している業者もあるので、確認してみるのがおすすめです。
人工芝をDIY・業者で施工する場合はしっかり比較検討を!
人工芝をDIYや業者で施工する場合は、自分にとってどちらによりメリットがあるか、しっかりと比較検討したうえで判断することが大切です。
ちなみに、業者によってはDIYに失敗してしまった場合に、再度地盤作りから施工をやり直してくれるところもあります。
DIYで失敗してしまった時は、そういった業者に相談してみるのもおすすめです。
人工芝は、しっかり敷けば10年以上張り替え要らずとされています。
だからこそ、後悔しないよう商品選びだけでなく、どんな手段で施工するかまで、しっかりと検討しましょう。

株式会社モノガーデンのゼネラルマネージャー。モノガーデンオリジナル人工芝の商品開発・改良、品質管理責任者。モノガーデンの人工芝施工では主に現場監督を担当、自ら施工もこなす。