「人工芝を敷くと虫がわきやすくなるらしい」
人工芝を敷きたいと思い情報を集めていると、そんな話を目にすることがあります。
「虫がわきやすくなるなら、やめようかな…」と人工芝の設置を思い止まってしまうのは、自然な心理ですよね。
しかし、実は「人工芝を敷くと虫がわきやすくなる」のは間違い。
むしろ、人工芝を敷くことで「虫を減らす」ことができるんです。
今回は、人工芝を敷くことで虫が減る理由と、虫がわきやすくなると勘違いされてしまっている理由を、詳しくご紹介していきます。
人工芝が原因で虫が増えることはない理由
人工芝が原因で、虫がわいたり増えることはありません。
むしろ、増えるどころか減少していくのが実際です。
人工芝を敷くことで虫が増えない理由には、主に以下の3つがあります。
- 雑草が生えてこなくなる
- 通気がよくなり、湿気が好きな虫が来なくなる
- 光がなくなるため
一つずつ解説していきます。
雑草が生えてこなくなる
人工芝を敷く際には、雑草を完全に取り除いた上で、人工芝の下に防草シートを敷きます。
そのため、雑草が生えることはなくなります。
雑草がなくなれば、虫の餌がなくなり、虫がわきにくくなることにも繋がります。
ちなみに、人工芝はナイロンやポリエチレン、ポリプロピレンといった素材でできており、人工芝そのものが虫を寄せ付けることはありません。
通気がよくなり、湿気が好きな虫が来なくなる
人工芝を敷く際は、水はけをよくするために下地の整地を行います。
実は、この整地により通気性も高まるため、結果的に湿気を好む虫がわきにくい環境となります。
また、昨今販売されている人工芝や防草シートは、通気性も高くなっています。
そのため、適切な整地を行い通気性の高い製品を選ぶことで、自然と虫のわきにくい仕上がりとなります。
光が地面に届かなくなる
人工芝と防草シートを適切に敷くことで、地面には日光が届かなくなります。
光が届かなくなることにより、雑草対策はもちろん、虫対策にもなります。
ただでさえ雑草対策により餌がなくなる上に、光まで届かないとなれば、虫にとっては居づらいことこの上ない環境というわけですね。
人工芝を敷いたら虫がわいたと勘違いしがちな理由
適切に設置すれば、人工芝が虫を寄せ付けることはありません。
では、なぜ「人工芝を敷くと虫がわく」という認識が広まっているのでしょう?
ここからは、その理由として考えられることをご紹介します。
「緑が増える」=「虫も増える」イメージがある
緑が多いところには、虫もいそうなイメージ、ありませんか?
実は、こういったイメージに引っ張られて、人工芝には虫がわきやすいと勘違いしてしまう方がいます。
実際、自然に囲まれた環境であればあるほど、虫も多くなります。
しかし、それはあくまで「自然」という前提があればこそ。
人工芝は、その名の通り人工物。
人工芝を敷いた場所は一面の緑が広がりますが、だからといって虫がわきやすくなる心配はありません
実際に人工芝を敷いた人から「虫が増えた」と聞いたことがある
よく見られるのが、実際に人工芝を敷いた人から「虫が増えちゃって…」という話を聞いたというケースです。
人工芝を設置すれば本来は虫がわきにくくなるはずですが、そうではない場合もあるということですね。
しかし、これにはもちろん原因と対処法があります。
原因は「適切な人工芝の施工ができていない」こと。
対処法は「適切に人工芝を施工する」ことです。
とくにDIYで人工芝を設置した場合、入念に準備をしたにも関わらず、施工が適切でなかったというケースが少なくありません。
人工芝に虫がわく原因となる施工時の失敗
人工芝で虫がわきにくくするには、まず一番に「適切な施工」が重要です。
逆に言うと、虫がわいてしまう原因は、「施工時の失敗」にあります。
そこでここからは、虫の発生につながる人工芝の施工時にありがちな失敗を解説していきます。
雑草を完全に取り除けていなかった
人工芝を設置する際、まず行うことは、雑草の除去。
防草シートの下に雑草が残っていると、どれだけ完璧に防草シートと人工芝を設置したとしても、経年劣化でいつしかつなぎ目や穴から光が入り込み、雑草が育ってしまいます。
その結果、雑草が人工芝の下から生えてくるだけでなく、虫の発生にもつながります。
つなぎ目に隙間ができていた
人工芝を土の地面の上に敷く際は、つなぎ目なく敷くことが大切です。
とくに防草シートを敷く際につなぎ目があると、そこから雑草の種が入り込んだり光が入ってしまい、雑草が育ってしまいます。
土の地面に人工芝を敷く場合は、通常ロールタイプを選択する方が多いことでしょう。
適切に施工すればつなぎ目や隙間ができにくいロールタイプですが、その分施工の難易度は高めです。
DIYで人工芝の設置を行う場合、つなぎ目のことにまで意識が回らず、終わってみればつなぎ目ができてしまっていたというケースもあるようです。
水はけ対策ができていなかった
虫は湿度が高いところを好むため、湿気対策も大切です。
湿度を抑えるには、水はけをよくし通気性を高めることがポイント。
昨今の人工芝や防草シートは、通気性の高いものが多くなっています。
しかし、その通気性を活かすには、設置時の水はけ対策がとても重要。
水はけ対策を行うには、下地の整地はもちろんのこと、排水の流れを考えて勾配をつけるなどの工事も必要です。
DIY上級者でなければ、自分で行うのは少々難易度の高い工程といえるでしょう。
施工時に押さえておきたい人工芝の虫対策
人工芝で虫がわいてしまう原因と、それにつながる施工時のありがちな失敗をご紹介しました。
ここからは、虫をわきにくくするための適切な施工のポイントを、具体的にご紹介していきます。
整地を適切に行う
人工芝を設置する際、まず重要なのが、適切な整地。
整地の際には、下地の状態に合わせた砂や砂利を入れることが大切です。
下地をしっかりと整えることで、通気性がよくなることはもちろん、地盤の凸凹がなくなり、人工芝を綺麗に設置できます。
注意点として、下地の状態や設置場所環境によって、何で充填すればいいかが変わってきます。
人工芝の整地によく使われるのは、真砂土や山砂、川砂、砂利です。
どれを使えばいいのかわからない…という場合は、プロの施工業者に相談してみることをおすすめします。
防草シートを敷く
人工芝を土の地面に敷く際は、通常防草シートを敷きます。
防草シートを敷いておかないと、人工芝の下から雑草が生えてきて、最悪の場合人工芝を突き破ってしまいます。
また、雑草が虫のわく原因にもつながります。
防草シートを敷く際には、雑草の完全な除去が重要。
天然芝から人工芝に張り替える際には、当然天然芝の完全な除去が必要です。
天然芝を取り除くなんて無理…という方は、プロの施工業者に相談してみましょう。
人工芝の施工業者の中には、天然芝の除去から請け負ってくれるところもあります。
水はけ対策をする
人工芝を設置する際には、水はけ対策も重要です。
この水はけ対策が、虫のわきにくい環境にもつながります。
水はけ対策として重要なのが「地盤の改善」と「水勾配をつける」の2つ。
整地の際には、水はけのいい真砂土や砂利を用いて、地盤を作りましょう。
これにより、通気性が高まるとともに水はけもよくなります。
そして、排水の流れを考慮し、排水設備に水が流れるように勾配をつけます。
これにより、雨が降っても雨水が溜まることなく排水されます。
水勾配をつけるのは、専門業者でないと難易度が高い工程です。
不安な場合は、プロの施工業者に相談してみましょう。
適切に施工すれば人工芝に虫の心配は無用です
人工芝はその名の通り「人工」のものです。
素材にはナイロンやポリエチレン、ポリプロピレンが使われており、それ自体に虫を寄せつける心配はありません。
一方で、お庭やテラスなど土の地面の上に施工する場合、適切に施工しなければ、雑草や湿気が虫を寄せつけてしまう恐れはあります。
それを防ぐためには、人工芝を適切に施工することが重要です。
お庭やテラスに人工芝を敷いてみたい、でも虫がわかないか心配…という方は、人工芝の施工業者に相談してみましょう。
設置したい場所に合わせた施工の注意点を教えてもらえたり、実際に見てもらって具体的なアドバイスをもらえる場合があります。
土の地面であっても、人工芝を適切に敷けば、虫がわく心配は大きく軽減されます。
虫が心配だからと人工芝をためらっていた方も、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社モノガーデンのゼネラルマネージャー。モノガーデンオリジナル人工芝の商品開発・改良、品質管理責任者。モノガーデンの人工芝施工では主に現場監督を担当、自ら施工もこなす。