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人工芝 公開日:2023.01.26
最終更新日:2023.01.26

芝生の雪腐病の対策と積雪が多い地域の芝生の選び方

モノガーデン渡部

芝生の病気の1つに「雪腐病」というものがあります。
雪が積もる地域を中心に見られる病気で、せっかくの天然芝の見栄えが悪くなってしまいます。

天然芝を敷いている人のなかには、雪腐病の予防をしたい人や、雪腐病になるとどのような症状が出るのか知りたい人もいるでしょう。

本記事では、雪腐病について対策や、雪腐病になりにくい芝生の選び方についてご紹介します。

天然芝がかかる病気「雪腐病」とは?

雪腐病は「ゆきぐされびょう」と読み、天然芝がかかる病気です。
まずは、雪腐病がどのような病気なのか、特徴や症状についてみていきましょう。

長期間の積雪が原因で発生する病気

雪腐病は、長期間積雪がある地域で発生する、菌類が原因の病気です。
日本では、北海道や日本海側の豪雪地域でよくみられます。

長期間雪が積もっていると、芝には太陽の光が届かず、多湿の環境に。
すると芝が貯蔵していた養分が失われ、抵抗力が落ち、病原菌に感染しやすくなってしまいます。

雪が降り積もっている期間が長いほど、被害の大きくなる傾向があります。
長期積雪の期間が100日以上になると、雪腐病の被害は甚大となることも。

ただし、一部地域では、積雪がなくても低温・加湿という環境であれば、雪腐病を発症することがあるようです。
冬の間は被害が分かりにくく、雪解け後に病気が発生、一気に進行することもあります。

雪腐病にかかると起こる症状

日本で用いられている天然芝は、日本芝と西洋芝があります。

寒冷地で使われている天然芝は、西洋芝の寒地型芝草(冬芝)です。
寒地型芝草は、冬でも枯れずに緑を保てるため、積雪がある地域で多く利用されています。

冬の間、地上部分が枯れる芝であれば、地中部分が休眠するため、積雪の影響を受けませんが、雪の下でも緑が保たれる西洋芝は地上部分が枯れずに雪の下で長期間閉じ込められることになるので、積雪の期間中に病原菌が増殖してしまいます。
つまり西洋芝は日本芝よりも雪腐病にかかりやすいといえます。

冬でも枯れないという芝を敷いている場合は、雪腐病の対策が必要です。

雪腐病の対処とメンテナンスのポイント

それでは、雪腐病にならないためには、どのような対処やメンテナンスが必要になるのでしょうか。

数日程度の積雪なら心配は不要

基本的に、数日程度の短期間の積雪であれば、雪腐病の予防や特別なメンテナンスは必要ありません。
長期間雪の下に埋まってしまうことが雪腐病の広がる原因なので、すぐに雪が解けてしまうのであれば病原菌が広がることはないからです。

ただし、霜柱によって土が持ち上げられることで、芝が弱ってしまったり、色が薄くなってしまったりすることがあります。
少量雪が降るという地域では、雪腐病の心配はありませんが、不織布シートで覆って芝を保護しておくのがオススメです。

雪が積もる前に殺菌剤を撒いて予防

月単位で積雪があるという豪雪地帯であれば、雪腐病の予防が必要です。

雪腐病の予防で大切なのは、雪が積もる前に殺虫剤を撒いておくこと。
実は、雪解けのあとに殺虫剤を散布しても、雪腐病の病原菌には効きません。

地域にもよりますが積雪が始まる前、11月頃には用意しておきましょう。
まき残しがないように、殺虫剤は均一に散布してください。

ただし、雪が降り積もるタイミングを見極めるのは難しいものです。
散布が間に合わず、雪腐病が発症してしまったら、雪腐病の種類を見極め、その種類に応じた薬剤を散布する必要があります。

融雪剤は芝生を痛めるリスクあり

「雪の下に芝があると雪腐病になるのであれば、雪を溶かしてしまえばいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
実際に、積雪が多い地域向けに、雪を溶かす融雪剤が販売されています。

天然芝にも融雪剤を使うこと自体は可能ですが、使用にはリスクも。
一般的に融雪剤は、塩化カルシウムや塩化ナトリウム、いわゆる塩が主成分となっています。

塩は植物を枯らす効果を持っており、散布しすぎると芝生への塩害の発生するリスクがあります。
融雪剤の使用は、芝生を傷める可能性があるため、オススメできません。

積雪が多い地域の芝生の選び方

最後は、積雪が多い地域で芝を敷設したいときの芝生の選び方について確認しておきましょう。

寒さに強いのは西洋芝の寒地型芝草!対策必須だが冬でも枯れない

先述のとおり、積雪があるような寒冷な地域であれば、西洋芝の寒地型芝草(冬芝)が用いられています。
冬でも緑を保てるため、積雪期間以外は緑の天然芝を楽しめます。

雪腐病の対策は必要となりますが、寒冷地で芝生を敷きたい・1年中緑の天然芝を楽しみたいという人は、西洋芝の寒地型芝草(冬芝)を選びましょう。

冬枯れが気にならないなら日本芝・西洋芝の暖地型芝草を選ぶのもあり

冬の間は積雪があり、緑の芝生がなくても問題がないという場合は、日本芝や西洋芝の暖地型芝草(夏草)を選ぶとよいでしょう。

日本芝や西洋芝の暖地型芝草は、温暖な地域に適している芝生です。
冬の間は、地上部分は枯れてしまい、地中部分は休眠します。

冬は緑の天然芝を楽しむことはできませんが、雪腐病の心配がありません。
春になると、また緑の芝生が広がります。

雪かきや手入れの手間を減らすなら人工芝がオススメ

「冬も緑の芝生が欲しいが、雪腐病の対策やメンテナンスは大変だ」という人は、人工芝が使いやすいでしょう。

人工芝はプラスチックやゴムで作られており、植物のように病気にかかる心配はなく、お手入れもほぼ不要です。
適切に施工を行えば、雑草対策にもなります。

また、人工芝を土の上に敷いておけば、雪が土の上に直接降り積もることはありません。
雪と土が混ざることはないので、きれいな状態のままで雪かきが行えます。

芝生の雪腐病はこまめな対策必須、人工芝への張り替えもオススメ

天然芝の雪腐病は、積雪が長期間続く地域の芝生、とくに冬でも緑が保たれる西洋芝の寒地型芝草で多く発生します。
対策をすれば防げますが、発症してしまえば薬剤の散布が必要です。

天然芝は、雪腐病をはじめとする病気にかかることがあるため、きめ細やかな手入れが必要です。殺菌剤で対策する場合は、雪のシーズンが始まる前に行っておきましょう。

天然芝の手入れが難しいという場合は、メンテナンスの必要がほぼない人工芝への張り替えも有効な対策です。
しっかりと施工すれば雑草対策にもなるため、雑草にお困りの方にもオススメです。

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