人工芝は、庭や玄関先、ベランダなどさまざまな場所に、緑のある景色を手軽に加えることができるものです。
屋上も人工芝を活用できる場所のひとつですが、施工すべきか迷った際、気になるのはメリットやデメリットの面ではないでしょうか?
今回は、屋上に人工芝を敷くメリット・デメリットに加え、屋上に施工する際の注意点について解説します。
「屋上に人工芝を敷いてみようかな」と思った際の検討材料として、ぜひお役立てください。
屋上に人工芝を敷くメリット

まずは、屋上に人工芝を敷くメリットについて紹介します。
屋上に施工する場合、一般的にはタイルやコンクリート上に人工芝を敷くことになります。
土の地盤と異なり比較的凹凸も少ないことから、地盤改良などの大がかりな工事なしに人工芝を敷くことができます。
ここで紹介するメリットを踏まえ、屋上への施工を検討してみてはいかがでしょうか。
無機質な地面が一面緑のおしゃれな空間になる
屋上に人工芝を敷くと、コンクリートやタイルなどの無機質な地面が一面緑の景観になります。
テーブルやチェアを置いてカフェスペースにするなど、おしゃれな空間として楽しめるでしょう。
人工芝であれば土のない場所にも緑を追加でき、植木鉢などを設置する必要がないため限られたスペースを有効活用できます。
人工芝を屋上に敷くことで、日光浴やBBQ・天体観測を楽しむなど、生活空間にちょっとした彩を加えるスペースとしても活用できるようになるでしょう。
裸足で歩け、子供やペットの遊び場にもなる
人工芝を屋上に敷くと、裸足で歩き回れるようになります。
これにより、屋上を子供やペットが裸足で歩ける遊び場として活用することもできます。
夏の暑い時期や冬の寒い時期でも、人工芝を敷いていればコンクリートの熱や冷たさに左右されず遊べるでしょう。
ただし、人工芝は素材の性質上、日光のあたる場所に敷いていると熱を持ちやすくなっています。
夏場は遊ぶ前に水を撒いたり、パラソルなどで日陰を作ると安心です。
日当たりに左右されず手入れの手間も少ない
人工芝のメリットは、天然芝のように日光を当てる必要がない点です。
天然芝は、一般的な他の植物と同様に光合成を行うため、日光に当てなければ成長しません。
また、水やりや定期的な肥料の追加、芝刈りなどの手入れも必要になる特徴があります。
人工芝であれば、日当たりに左右されることなく設置でき、手入れの手間もほとんどありません。
「緑のある空間を取り入れたいけど、手間はなるべく少なくしたい」という方には、人工芝がピッタリです。
屋上に人工芝を敷くデメリットと注意点
屋上に人工芝を敷く場合、そのデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。
デメリットを事前に把握した上で施工すれば、工夫や対策を講じることができます。
ここからは、屋上に人工芝を敷くデメリットや、デメリットをカバーするための対策と注意点について見ていきましょう。
安価な人工芝は紫外線で劣化が早くなる場合も
人工芝は、製品によってクオリティに差があり、安価な人工芝を敷くと紫外線による劣化が早くなるかもしれません。
人工芝は、ポリエチレンなどのいわゆる「プラスチック」で作られており、紫外線によって劣化すると変形や芝葉の抜け落ちなどが発生します。
一般的な人工芝の耐用年数は約10年と言われていますが、安価なものを直射日光が当たる屋上に施工していると、寿命が短くなることも少なくありません。
結果的に交換頻度が上がって費用も高くなる可能性があるため、紫外線に強い「UV加工」が施された製品を選ぶことをオススメします。
土の地盤と比べて人工芝に静電気が溜まりやすい
プラスチック素材でできている人工芝は、屋上に敷くと土の地盤に施工する場合と比べて静電気が発生しやすくなる特徴があります。
とくに、気温や湿度が低下する冬の時期は、静電気対策が欠かせません。
地面に水を撒いたり、人工芝に触れる前は静電気除去シートに触れるといった方法で、対策ができます。
近年では、帯電防止加工が施された製品や、人工芝の下に敷く伝導性の優れたマットなどもあります。
コンクリート地の屋上に人工芝を敷くのであれば、静電気対策も事前に検討しておくと良いでしょう。
排水を意識して敷かないと水はけが悪くなる恐れ
人工芝は、施工時に排水を意識しておかなければ水はけが悪くなり、カビや害虫が発生する原因になりうるため注意が必要です。
屋上は、排水のために勾配調整が行われており、排水口に向かって緩やかな傾斜がついています。
人工芝を施工する際に傾斜を維持できていないと、排水性能が損なわれる原因になりかねません。
また、施工時には人工芝そのものの排水力を確認しておくことも重要です。
屋上に敷く人工芝の選び方と施工のポイント

人工芝を屋上に敷く場合、どのような基準で製品を選べば良いのでしょうか?
ここからは、屋上に人工芝を敷く際の人工芝選びのポイントや、施工時の注意点について紹介します。
高品質で帯電防止加工された人工芝を選びたい
人工芝は前述したように、初期費用を抑えようとして低品質な商品を選ぶと、張り替え頻度が増えてトータルコストが高くなる可能性があります。
そのため、品質の高い人工芝を選び、可能な限り長く使い続けられるようにすることが大切です。
とくに、帯電防止加工が施された製品や、水はけの良い透水タイプの製品、紫外線に強いUV加工が施された製品は屋上への施工に適しています。
屋上の状態や日当たりなどを考慮した上で、施工する人工芝を吟味しましょう。
高密度の人工芝ならクッション性が高く裸足でも快適
裸足で歩き回ることを前提に人工芝を屋上に敷くのであれば、クッション性が高く柔らかい感触のものがオススメです。
クッション性の高い人工芝であれば、ペットや子供が走り回った際にかかる足腰への負担を軽減できるでしょう。
また、人工芝のクッション性そのものはもちろん、クッション性を長く維持するためには「芝葉の密度」が何よりも重要です。
人が歩いたり、重い荷物を乗せる等しても、芝葉の密度が高い人工芝であれば、芝同士が支え合い長期間クッション性を維持できるためです。
屋上に施工した人工芝のクッション性を長く維持し、裸足でも快適に過ごせる場所として活用したいのであれば、高密度の人工芝を選ぶと良いでしょう。
ロールタイプの製品でしっかり固定がオススメ
人工芝を屋上に敷く場合、ペグなどを打ち込んで固定することができません。
そのため、ロールタイプの製品で接続部分が少ないものを選び、しっかりと固定することをオススメします。
人工芝用の両面テープなどを使用して固定することもできますが、ブチルテープと呼ばれるテープ状のシーリング剤や、人工芝用の接着剤で固定した方がズレの予防に効果的です。
隙間ができてしまうと、水が溜まりやすくなる上に引っかかって転倒する原因にもなりかねません。
自分で手軽に敷くことができる人工芝ですが、長持ちさせるために綺麗に施工したいのであれば業者への依頼も検討しましょう。
人工芝を屋上に敷くのはメリットがたくさん!芝生選びや丁寧な施工を意識することが大切

人工芝を屋上に敷けば、近くに公園がない街中や住宅地でも、気軽に緑を楽しめる空間を作ることができます。
高品質な人工芝であれば、子供やペットの遊び場としても活用できるでしょう。
また、クッション性に優れた製品を選べば、怪我の防止にも役立つのでオススメです。
ただし、コンクリートやタイルの上に施工することが多い屋上の場合、とくに水はけには注意しなければなりません。
勾配調整を行いながら、排水を意識した施工を心がけることが大切です。
関連記事:人工芝の水はけが心配?原因と対策、商品選びに施工時の注意点まで解説
また、人工芝を屋上に施工する場合、日陰になるような遮蔽物のない可能性があります。
紫外線を浴びやすい場所へ人工芝を敷く場合、安価で低品質なものを選ぶとすぐに劣化する恐れがあるため注意しなければなりません。
敷く場所の環境や使用目的に合わせて、できるだけ高品質な人工芝を選ぶことがオススメです。
自分で商品を選んだり施工するのが難しいと思ったら、人工芝の専門業者に相談してみましょう。

株式会社モノガーデン施工管理責任者。雑草剥がしから整地、防草シート敷設、人工芝のカット加工に固定まで、人工芝の施工全てをどんな現場も一人でこなす人工芝のエキスパート。